注文住宅を建てるときは、まず土地選びからはじまります。ただ、土地選びで注意したいのが「広い土地を選べば良い」と思ってしまうこと。注文住宅を建てる土地は、単純に広ければ良いというわけではありません。今回は、その理由と注文住宅を建てる際に最適な土地の広さをご紹介します。

 

広い土地を選べば良いわけではない理由

注文住宅を建てる土地を選ぶ基準は人によって異なります。「なるべく安く購入できるところ…」、「最寄駅から近いところ…」などなど、さまざまな基準があるでしょう。なかには、大きな家を建てるために広い土地を求めている方もいるはずです。

 

しかし、単純に広い土地を選んでも理想とする注文住宅を建てられないことがあります。これには、土地それぞれに設定されている「建ぺい率」と「容積率」という法律の制限が関係しています。

 

・建ぺい率とは

建ぺい率とは、簡単にいうとその土地に対して建てられる家の「面積の比率」のことを言います。たとえば、100平方メートルの土地に40％の建ぺい率が設定されている場合、この土地には広さ40平方メートルまでの家を建てることができるというわけです。

 

・容積率とは

一方、容積率とはその土地に対して建てられる家の「総面積の比率」です。総面積なので、2階建ての場合、1階と2階の面積を合わせることになります。一般的に容積率は、建ぺい率の2倍であると両方のバランスがベストになると言われます。

 

建ぺい率と容積率が高ければ、それだけ大きな家を建てられます。一方、この2つが低ければ、それだけ小さな家になります。建ぺい率と容積率は用途地域によって異なるため、広い土地を選んだとしても、建ぺい率と容積率が低いことも少なくありません。つまり、単純に広い土地を買えば大きな家を建てられるわけではないのです。

 

そのため、土地選びで一概に「広いところを購入すれば良い」という考えでいると、理想の注文住宅を建てられない可能性が出てきます。

 

また、建てられる家の大きさを制限する規定は、建ぺい率と容積率以外にもあります。実際に家の大きさを決める際には、それらの規定も考慮しなければなりません。ほとんどの場合、注文住宅を建てる際は業者と進めていくことになりますが、さまざまな制限のなかで家を建てていく必要があることは覚えておくと良いでしょう。

 

最適な土地の広さとは？

では、注文住宅を建てるうえで最適な土地の広さはどれくらいなのでしょうか。ここでは、国が定める「住生活基本計画 (全国計画)」の誘導居住面積水準を一例として最適な土地の広さを導き出してみたいと思います。

 

誘導居住面積水準では世帯人数に応じて、一戸建て住宅で目標にしたい面積を取りまとめています。この項目では一戸建て住宅の面積を以下の条件によって定めています。

 

・単身者：55平方メートル

・2人以上の世帯：（25平方メートル×世帯人数）+25平方メートル

 

この条件によれば、たとえば4人家族であれば125平方メートルの面積を持つ家が目安となります。そして、この家を2階建てと仮定し、「1階と2階の面積を同じ広さの62.5平方メートル」、「建物がない敷地が17.5平方メートル」とします。

 

そうすると、土地の広さは80平方メートル必要になることがわかります。駐車場や庭も欲しい場合は、この80平方メートルにその2つのスペースを足せば、必要な土地の広さの目安が出てきます。

 

これはあくまで誘導居住面積水準が定めている計算式から住居面積を導き出し、土地の広さを算出した結果です。しかし、この水準を参考にすれば、理想の注文住宅を建てる際に必要な土地の広さの目安を知ることができます。購入する土地の広さを決める際の参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

 

まとめ

今回は、注文住宅を建てるうえで単純に広い土地を選べば良いわけではない理由と、最適な土地の広さについてご紹介してきました。ぜひ、ここでお話ししてきたことを参考にして、快適な暮らしを送れる注文住宅を建ててみてください。