一般的に住宅は、木材や鉄骨、コンクリートでつくられます。特に日本においては木材でつくられた住宅が多いです。しかし最近では、コンテナを住まいとするケースも見られるようになりました。今回は、そんなコンテナハウスのメリットとデメリットをご紹介します。
コンテナハウスとは?
コンテナハウスはその名の通り、コンテナでつくられた住宅のことです。そもそもコンテナとは、貨物を輸送するためにつくられた箱状の鉄製容器で、主に海上輸送で使われています。鉄製で頑丈なこと、比較的コストが安いことから、最近では住居としての活用が人気を集めています。海外では店舗や施設を建てるときにコンテナを使う場合もあるようです。
しかし、海外とは違い、日本では貨物を輸送するコンテナをそのまま住居として使うことができません。海上コンテナはISO規格を満たしていますが、建築基準法には適合していないためです。建築基準法は、私たちが快適な暮らしを送れるように、建築物や設備、構造などに関して一定のルールを定めたものです。日本で建築物を建てるときには、このルールに従う必要があります。
それはコンテナハウスも同様です。よって、日本ではJIS規格を満たした建築用コンテナを使用する、鉄骨造でコンテナ風の建物をつくる、などの方法でコンテナハウスを建てるのが一般的です。
コンテナハウスのメリット
コンテナハウスには以下のようなメリットがあります。
・工期期間が短い
通常、住宅を建てるときは資材を現場に運び、そこで職人がイチから建てていきます。ですが、コンテナハウスはコンテナを運び入れて組み立てていくので、一般的な住宅より工期が短めです。入居までが早く、周辺に与える工事の騒音も軽減することができます。
・耐久性に優れている
もともとコンテナは、輸送の際の振動や衝撃などに耐えられるようにつくられています。建築用コンテナは住まうことが目的になるため、輸送コンテナよりもさらに頑丈につくられていることが多いです。十分な強度があるので、住宅としての耐久性が高い傾向にあります。モノによりますが、その耐用年数は40年と言われています。また、防錆処理を施すことで、サビにも強くなります。
・コンテナを移動できる
ほかの住宅とは違い、移動できることもコンテナハウスのメリットのひとつです。たとえば、ほかの土地に移り住むときも、新たに住宅を建てずに、コンテナを移動するだけで済みます。ただし、移動が難しくないのは、1台や2台のコンテナでつくられた住宅です。いくつものコンテナが組み立てられた住宅の場合、すべて運べるように分解する必要があり、移設工事が大がかりになります。トレーラーハウスのように、どのような住宅でも容易に移動できるわけではないことは認識しておきましょう。
コンテナハウスのデメリット
コンテナハウスにはこのようなデメリットもあります。
・道路環境によってはコンテナを分解して運ぶことになる
購入した土地の周辺の道路が狭いと、コンテナをそのまま運び入れることができない可能性があります。もし、そのまま運び入れることができなければ、一度、コンテナを分解しなければなりません。パーツで運んで現地で組み立てることはできますが、そのぶんコストが増大するので、コンテナハウスを建てるときは、周辺の道路環境を確認しておくことがすすめられます。
・期待するより安くない
コンテナハウスは、通常の住宅よりリーズナブルに建てることができると言われます。ですが、住宅で使用する建築用のコンテナは、中古の輸送用のコンテナとは違い、決して格安ではありません。価格だけで判断してコンテナハウスを建てると、思いのほか費用がかかった…ということになりかねません。費用は、重量鉄骨造より安いというぐらいで、木造の住宅と比べると、さほど変わらないことが多いです。
まとめ
コンテナハウスは、通常の住宅より特徴的で、内装などを工夫することで、とても魅力的な住まいとなります。その魅力を存分に引き出し、日々の暮らしに組み込んでいくためにもメリットとデメリットをしっかりと踏まえたうえで、コンテナハウスを建てていくようにしましょう。