地下室は暗くじめじめとした空間になりがちです。そんな地下室を明るく快適な空間にしてくれるのがドライエリアです。今回はドライエリアの概要からメリット・デメリットまで解説します。
ドライエリアとは?
ドライエリアとは、地下室の開口部として設置される空間のことです。地下室と言うと、窓がなく密閉された空間というイメージがあります。しかしドライエリアを設ければ、室内に自然光を取り入れたり、開放感を生み出したりできるようになります。ドライエリアは、地下室を明るく快適なものにするうえで、大きく貢献してくれる空間なのです。
ドライエリアのメリットとは?
ここではドライエリアのメリットを3つご紹介します。
・地下室に自然光を取り入れることができる
ドライエリアの最大のメリットが、自然光を室内に取り入れることができる、という部分です。いくら地下室に明るい照明を設置したとしても、地上の空間よりは暗くなりがちです。開口部としてドライエリアを設置すれば、地上の空間と同じような明るさを確保することができます。また、窓を開けることで室内が換気され、湿気の発生を抑えることも可能になります。
・開口部を大きく取れる
地上ではプライバシーの面から開口部を大きく取れないことがあります。特に住宅が密集している地域では、住宅間のスペースが狭く、人の目が気になりがちです。しかし地下に設けるドライエリアなら、プライバシーのことを気にする必要がありません。開口部を大きく取れるので、開放的な地下室をつくれます。また、ドライエリアをテラス空間として活用することもできます。
・地下室を居室として利用しやすくなる
通常、地下室は暗く密閉された空間であることから、映画鑑賞などの趣味を楽しむ空間として使われることが多く、居室として活用されることはあまりありません。しかしドライエリアを設置し、採光と換気を確保できれば、居室として使いやすくなります。ただし、地下室を居室にするときは、建築基準法で定められた各種条件を満たす必要があります。
ドライエリアのデメリットとは?
続いてドライエリアのデメリットをご紹介します。
・排水設備などのメンテナンス費用がかかる
基本的にドライエリアの排水処理は排水ポンプでおこないます。通常の空間より低い位置にある地下室の安心・安全を確保するうえで、この排水ポンプの働きは欠かせません。しかし排水ポンプは経年とともに劣化していきます。定期的にメンテナンスしなければ、機能に不具合が生じる可能性があります。排水ポンプの寿命は10年程度です。ドライエリアを設置すると、それくらいの周期でメンテナンスの費用がかかります。
・建築費用がかかる
ドライエリアをつくるときは当然、工事が必要になります。その工事のコストが住宅の建築費用にプラスでかかるところも、ドライエリアをつくることのデメリットです。ドライエリアの深さや広さを調整すれば、ある程度コストを抑えられます。予算内で設置できるように業者としっかり調整するようにしましょう。
・防音性能が落ちる可能性がある
地下室は密閉された空間により、防音性能が高いという特徴があります。しかしドライエリアという開口部がつくられることで、開口部のない地下室より防音性能が落ちる可能性があります。ドライエリアを設置しつつも、防音性能を確保したい場合は、遮音カーテンや遮音シートを取り入れ、室内の音が外に漏れ出ないようにする対策が必要です。
まとめ
地下室を地上の空間と同じように快適なものにしたいときはドライエリアの設置がおすすめです。ただし、ドライエリアにはメリットだけではなく、デメリットもあります。ドライエリアに興味がある方は長所と短所を踏まえたうえで、設置するかどうか考えていきましょう。