二世帯住宅は親世帯と子世帯が同じ建物内に同居するスタイルです。親世帯にとっては子どもが近くにいる、子世帯にとっては子育ての手伝いをしてもらえる、などお互いにメリットがある住宅と言えます。一方で二世帯住宅を建てたあとに二世帯の間でトラブルが起きてしまうこともしばしばあります。今回は二世帯住宅ではどのようなトラブルがよく起きるのかまとめてみました。トラブルを避けるための方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。
二世帯住宅のトラブルまとめ!どんな諍いがある?
二世帯住宅ではおもに以下のようなトラブルが起きやすいようです。
・光熱費のトラブル
このトラブルは完全同居型の二世帯住宅でよくあります。理由は光熱費が折半であることです。いつも家にいるのは親世帯。それなのになぜ光熱費が半々なのか。という子世帯側の不満が原因でトラブルが起きるようです。
・生活費のトラブル
生活費のトラブルもしばしば起きます。子世帯が子どもを含めて4人、親世帯が2人のときに、生活費が折半であることで親世帯側が不満を感じるのです。生活費は人数が多ければ多いほど増えるものなので、きちんと分けることが大切になります。
・家電や収納のトラブル
完全同居型の場合、リビングを共同で使用することになります。そのリビングの使い方で親世帯と子世帯の間でトラブルが起きることもあるようです。たとえば、テレビがひとつしかない場合、片方の世帯が独占してしまい、片方の世帯が好きな番組を見られないという問題が出てきます。またシューズクロークなどの収納に関するトラブルもよく耳にします。
・間取りのトラブル
住宅内の動線に関するトラブルもよく挙げられています。たとえば、お風呂に入る際に親世帯のリビングを通らなければならず、好きな時間に入浴できない…。親世帯の部屋から近い場所にトイレを設けたら、結果的にリビングの隣になり誰かが利用すると臭いが漏れる…。といった問題があるようです。
トラブルを避けるための方法とは?
ではこれらのトラブルを避けるためにはどのようなことに注意すればいいのでしょうか。
・親世帯と子世帯でしっかり話し合う
二世帯住宅はタイプによって課題となる部分が変わります。ただ基本的には親世帯と子世帯の共同部分に関してトラブルが起きる傾向にあります。住空間が重なれば重なるほどお互いの自由度が低くなるためです。したがって二世帯住宅を建てるときは必ず共同部分について両世帯でしっかり話し合うようにしましょう。
このときお互いの生活スタイルを考慮すると、満足度の高い住宅をつくりやすくなります。たとえば、親世帯が比較的、早めに就寝するのなら、寝室とお風呂の距離を少し離すなどの工夫ができます。トイレも同様です。
また共用部のバリアフリー化も忘れないようにしましょう。バリアフリーは将来的に求められる設備です。最初から設置しておけばのちのち手間がかかりません。さらに光熱費や生活費の話もしておくといいでしょう。メーターを別々で設けたり、家族の人数に応じて支払う割合を決めたりすれば、トラブルになるリスクを抑えられます。
・完全分離型を検討する
共用部分に関するトラブルはそもそも二世帯が共同で使用するスペースがあるために起きます。この共同スペースを別々にすれば、このようなトラブルが起きるリスクを抑えることができます。そこで検討したいのが「完全分離型の二世帯住宅」です。
完全分離型の二世帯住宅なら、双方の世帯がそれぞれの住空間を確保することができます。プライバシーの部分でトラブルが起きることはありませんし、お互いがプライベートを大切にしながら生活を送っていけます。
完全分離型の二世帯住宅はほかのタイプに比べると費用が高額になりがちです。しかし親世帯と子世帯が満足できる住宅をつくる際に最適なタイプと言えます。入居後のトラブルを避けたい場合はぜひ完全分離型の二世帯住宅を検討してみてください。
まとめ
二世帯住宅で起こりがちなトラブルは、親世帯と子世帯が事前にじっくり話しておくことで避けることができます。また完全分離型の二世帯住宅にすることで、お互いの世帯が満足できる住宅をつくりやすくなります。さらに住宅づくりのプロの意見も取り入れると、よりよい二世帯住宅を建てられることにつながります。実際に生活をスタートさせたあとにトラブルが起きないためにも、二世帯住宅を建てるときは慎重に進めていきましょう。