希望するエリアには狭い土地しかない…。一戸建て住宅を建てたいと思っている方のなかには、このような悩みを抱えている方もいるでしょう。そんな方におすすめしたいのが、「狭小住宅」です。狭小住宅には通常の一戸建て住宅にはないメリットがあります。具体的にどのようなメリットなのか。デメリットとともにご紹介します。
狭小住宅のメリット
・都心部でも家を持てる
都心部など利便性に優れたエリアは、基本的に土地が狭い傾向にあります。ですが、狭小住宅はそうした狭い土地でも問題なく建てられます。また、スペースの課題も3階建てにするなど高さを出せば解決できます。ここは狭小住宅ならではのメリットと言えるでしょう。
・維持費がそれほど高くならない
狭小住宅は土地が狭いため、そのぶん固定資産税が安くなります。建物自体もそれほど広くならないので、メンテナンス代や電気代なども節約することができます。
・駅の近くに一戸建て住宅を持てる
狭小住宅を選ぶことで、駅からほど近い場所に一戸建て住宅を持つことができます。駅から近ければ、毎朝の通勤・通学がとても便利になります。また、都心に出かけるときにも、それほど労力をかけないで済みます。
・掃除などの家事が楽になる
狭い土地でも建てられる狭小住宅には、家事がしやすくなるというメリットもあります。当たり前のことですが、床面積が広くなければ、そのぶん掃除がしやすくなります。また、キッチン内のスペースがコンパクトであれば、料理がしやすくなることにもつながります。
狭小住宅のデメリット
・建築費用が高くなることがある
狭小住宅は、建築コストが高くなりやすい傾向にあります。基本的に狭小地は、家の前の道路も狭いことが多いです。そうすると、家の前まで重機を入れられず、家を建てるために必要な資材を人力で運ばなければならなくなり、結果的に人件費が高くなります。また、隣の家までの距離が近いために、防音対策に力を入れなければならず、材料費が高くなってしまうこともあります。
・強固な家にする必要がある
狭小住宅で居住空間を確保するためには、家を縦に長くしなければなりません。ですが、縦に長くなると、そのぶん地震の揺れによる影響で家が左右に動きやすくなります。そうすると、家にかかる負担も大きめに。自分の家はもちろん、密集した近隣の家にも迷惑をかけないようにするためにも、地震に強い強固な家づくりが必要になります。
・家を建てる際に制限がかかることがある
「第一種低層住居専用地域」と呼ばれるエリアは、家の高さに制限がかかります。狭小住宅の場合、居住スペースを設けるために3階建てにすることが多いと思います。ですが、こうした制限があることで、理想の高さを確保できず、結果的に住みにくい家になってしまうことがあるのです。家を建てる土地は、事前によく検討するようにしましょう。
・老後、生活しにくくなることも
狭小住宅は縦に長くなりがちです。そうすると、間取りが「1階にお風呂」、「2階にリビング」、「3階に寝室」といったような状態になることがあります。これは、極端な例ですが、狭小住宅ではこのような間取りになることも珍しくありません。そのため、老後、足腰が弱くなったあとに生活がしにくくなる可能性があります。狭小住宅を建てるときは、老後も住みやすい家にすることを念頭に設計していくとよいでしょう。
まとめ
今回は、狭小住宅のメリットとデメリットをご紹介してきました。狭小住宅にはメリットだけでなく、事前に覚えておきたいデメリットもあります。都心部に一戸建て住宅が欲しかったり、希望のエリアにある土地が狭かったりする場合は、この両面を踏まえたうえで狭小住宅を建てることを検討してみてください。