かつては主流な住宅として知られていた平屋。最近になって再び注目を集めるようになってきました。これから新しい住まいを建てようとしている方のなかにも、平屋を検討している方はいるでしょう。ですが、平屋を建てるときには、事前に覚えておきたい注意点もあります。いったい何に気をつければ良いのでしょうか。今回の記事でご紹介します。
平屋を建てる前に知っておきたい注意点とは?
・広い土地が必要になる
基本的に平屋を建てるときは、2階建て住宅や3階建て住宅より広い土地が必要になります。なぜなら、平屋はワンフロアに生活で必要な空間をすべて設置する住宅だからです。必要な土地の広さは間取りなどによって異なります。ですが、2階建て住宅や3階建て住宅と同じ部屋数を設けるとなると、そのぶん広い土地を購入しなければなりません。
・建てる場所に注意する
平屋はその特性上、周りの環境に影響を受けやすい住宅と言えます。たとえば、高い建物が密集しているエリアに平屋を建てると、風がうまく通らなかったり、光がしっかり入ってこなかったりします。特に都市部や住宅密集地はメリットではなく、デメリットが目立つ傾向にあります。平屋を建てる場所は十分に検討が必要です。
・プライバシーの確保をクリアする
平屋のデメリットとしてよく挙げられるのが「家族間のプライバシー」です。ワンフロアにすべての空間がつくられる平屋では、家族間の距離が近め。コミュニケーションが取りやすいというメリットがある一方で、プライバシーの確保が難しい構造です。いくら家族とはいえ、ある程度のプライバシーは必要でしょう。間取り設計のときに、この問題をクリアしておきましょう。
・採光のことを考える
平屋は構造上、どうしても採光が悪くなりがちです。特に北側の部屋は光を取り入れにくい傾向にあります。せっかく晴れているのに1日中部屋の照明に頼らなければならない状態はあまりよろしくありません。設計の段階で採光のことをきちんと考えるようにしましょう。たとえば、部屋の中央に中庭を設ければ、この問題を解消することができます。
・視線対策をきちんと行なう
平屋を建てるときは、周囲からの視線対策にも取り組む必要があります。基本的に家を建てるところは住宅街です。立地にもよりますが、周辺に2階以上の建物が多いところになるでしょう。そうした環境だと、外部から室内を覗かれてしまう可能性が高くなります。平屋を建てる際は、周囲からの視線をどのように対策するか検討しましょう。また、それと同時に防犯対策も検討することをオススメします。
・部屋、廊下の配置を工夫する
一見すると住みやすそうなイメージがある平屋ですが、それは間取り次第です。いくら生活空間がワンフロアにまとまっているとはいえ、間取りが悪ければ住みにくい家になってしまいます。快適な暮らしを送るためにも間取りは入念に検討するようにしましょう。特に部屋や廊下の配置は重要です。
・屋根の断熱対策を行なう
屋根と住居空間の距離が近い平屋では、断熱対策にも力を入れましょう。外部から室内に入ってくる熱の15%は屋根からと言われています。断熱対策を怠ると、この熱がもろに室内に入ってくることになります。空調設備が普及している昨今、暑すぎてとても部屋にいられない…ということになることはないかもしれませんが、気温の変化をもろに受ける可能性はあります。建築計画の段階で断熱対策のことも考えておきましょう。
まとめ
今回は、平屋を建てる前に覚えておきたい注意点をご紹介してきました。2階建て住宅や3階建て住宅にはない魅力がある平屋ですが、建てる前にはいくつか気をつけておきたいことがあります。ぜひ、ここでお話ししてきたいポイントを参考のうえ、快適な生活を送れる平屋を建てていきましょう。