3階建て住宅を建てたいと思いながらも、頭によぎる不安要素と言えば老後のこと。たとえば、「足腰が悪くなったあと、階段の昇り降りが大変になるのでは?」と思っている方はたくさんいるのではないでしょうか。ですが、それらを想定して工夫しながら建築計画を立てれば、3階建て住宅といえども安心の老後を過ごせます。では、具体的にどのような部分を工夫すればよいのでしょうか。今回の記事でご紹介します。
老後も安心の3階建て住宅を建てるときに工夫すべきポイント
老後も快適な暮らしを送れる3階建て住宅を建てるときに工夫したいポイントは、大きくわけて3つあります。1つずつチェックしていきましょう。
・間取り
将来のことまで想定した3階建ての家を建てる際、特に大切となるのが間取りです。間取りがうまく設計されているかどうかによって、快適な暮らしを送れるかどうかが決まると言っても過言ではありません。なぜなら、間取りは生活動線と密接に関係しているからです。
生活動線とは、簡単に言うと「日常生活の動き」のこと。家では毎日キッチンやリビング、トイレに行ったりします。この動きの線がシンプルになっていると、とても過ごしやすい家になります。一方、生活動線が複雑になっていると住みにくい家になってしまいます。
間取りの計画を立てるとき、特に何も考えずに決めていくと、複雑な生活動線となる可能性があります。たとえば、「3階に寝室があるのに2階にトイレがある」というような動線になってしまいます。そうすると、夜中にトイレに行く際、わざわざ階段を昇り降りしなければならなくなります。
若い頃は良いかもしれませんが、足腰が衰えてくる年齢になると体の負担となるでしょう。ほかにも、洗濯機があるフロアと洗濯物を干すフロアが違うことも、これと同じ状態を生み出します。そのため、3階建て住宅を建てるときは、将来のことも想定して間取りを考える必要があります。
特に注意するポイントとしては、以下の5つです。
・「寝室」と「トイレ」は同じフロアに
・「洗濯機」と「物干し場所」は同じフロアに
・物干し場所と同じフロアに家族共用の収納スペースを設ける
・階段の一段の高さをなるべく低くする
・階段の場はできるだけ広めに取る
・気密、断熱、空調
老後まで快適に暮らすためには、居心地のよい家にしなければなりません。それを叶えるうえで、「気密性」「断熱性」は欠かせません。
気密性と断熱性が高ければ、室温を一定に保ちやすくなります。特に3階建て住宅は、下の階は冷たい空気が占め、上の階は温かい空気が占めがちです。そのため、この2つの性能が低いとフロアごとで温度差が大きい状態となり、住みにくい家となってしまいます。将来のために気密性と断熱性は高くしておくことをオススメします。
また、各部屋に空調設備を取り入れておくことも大切です。空調があれば各部屋の温度差を小さくできることに加え、換気設備とともにカビの発生を抑えてくれる効果も期待できます。冬場に起こりやすいヒートショックのリスクも抑えられ、安心の暮らしを送れることにつながります。
・バリアフリー、エレベーター
立ち上がるときや歩くときに動作を支えてくれる設備があったらどうでしょうか。何もないよりは確実にケガのリスクを抑えられたりします。このようなバリアフリーの家は老後の生活を安心したものにしてくれます。設計の段階でトイレやお風呂、階段などに手すりを設けることを前向きに検討しましょう。また、予算に余裕があるならば、エレベーターの設置を検討してみることもオススメ。エレベーターがあれば、上下階の移動も負担を感じずに行なえます。
まとめ
今回は、老後も安心して生活できる3階建て住宅を建てる際に工夫すべきポイントをご紹介してきました。年を取ったときの不安を感じている方は、ぜひここでお話ししてきたポイントを参考にしながら、3階建て住宅の建築に取り組んでみてください。